UFCの階級ごとの歴代最強選手を紹介しています。
階級ごとなのでパンドフォーパウンドとは少し違います。
※2023年3月更新
フライ級(56.7kg)
デメトリアス・ジョンソン
マイティ・マウス(アメリカのアニメに登場する耳のデカイねずみのキャラ)の異名を持つ。
名前のイニシャルで「DJ」と表記されることも多い。
その名の通りに小さくってすばしっこい。
技のレパートリーが豊富でミスのないMMAの完成形のような戦い方をする。
2018年にヘンリー・セフードに敗北しUFCを離脱するまで11度防衛し歴代防衛最高防衛記録を持っている。
長らくパウンド・フォー・パウンドランキング1位にも君臨していたがアメリカ国内では不人気で度々PPVが売れない問題を指摘されていた。
バンタム級(61.2kg)
ヘンリー・セフード
バンタム級は最多防衛回数が2回で入れ替えが最も多い階級でもあるため、誰が歴代最強なのかは難しいところ。
2023年現時点ではアルジャメイン・スターリング がベルトを保持し、元王者のTJ・ディラショー相手に完勝して絶対王者へなりつつあるが、まだまだ他の階級の王者のような絶対感はない。
誰か一人を歴代王者の中で選べと聞かれたら、やはりDJにも勝利している二階級王者のヘンリー・セフードになるだろう。
セフードは元レスリングの金メダリストでもあり、UFCで王者になったメダリストも初だった。
フライ級の絶対王者DJにも勝利し、バンタム級でも王者になり長期政権を築くと思った矢先の引退だったが、2023年5月7日UFC288で復帰戦でいきなりタイトルマッチを行う。
スターリング戦はバンタム級の歴代最強をかけた戦いにもなりそうだ。
フェザー級(65.8kg)
アレクサンダー・ヴォルカノフスキー
コナー・マクレガーと言いたいところだが、フェザー級の歴代最強は間違いなくこの選手だろう。
ラグビー選手だったため、MMAキャリア序盤はミドル級くらいの重さでも試合をしている。
元ラグビー選手だけに、圧倒的なフィジカルを誇り全局面で圧倒するパワーとタフネスさを併せ持つ。
フライ級はジョゼ・アルドが長期政権を築いていたが、マクレガーに破れタイトルを奪われる。
その後マクレガーは階級を上げ、マックス・ホロウェイという新たに長期政権を築くと思われた選手が登場するも、ヴォルカノフスキーはそのホロウェイに3連勝しているため文句のつけようがない。
フェザー級はUFC史上最も王者の少ない階級でもある。(フライ級同様に歴代4人)
アルド、マクレガー、ホロウェイ、ヴォルカノの4人で誰が最強かと聞かれれば、誰しものがヴォルカノと答えるだろう。
ライト級(70.3kg)
ハビブ・ヌルマゴメドフ
ライト級はヘビー級並に混戦した階級で歴代防衛記録も3回が最高記録となっている。
3回防衛している選手は過去に4人いるが、その中でも最強の呼び声が高いのがヌルマゴメドフである。
自分の得意なグラウンドの展開に引きずり込んで一方的な展開で試合を支配していくスタイルは衝撃的だった。
個人的にはBJペンが一番好きな選手ではあるが、やはり最強の称号となるとハビブの方が一枚上と評価せざるを得ないだろう。
現在のチャンピオンのイスラム・マカチェフはヌルマゴメドフの同門で弟弟子にあたる選手でもある。
現在のパウンド・フォー・パウンドランキング1位はマカチェフなので、同スタイルのマカチェフをヌルマゴよりも上だと評価しても良いだろうが、辞め方も含めて今のところはまだヌルマゴの方を高く評価する声の方が大きいだろう。
ウェルター級(77.1kg)
ジョルジュ・サンピエール
デイナ・ホワイト曰く「総合格闘技の歴史を10年早めた」天才格闘家。通称GSP。
ウェルター級は長らくGSP以外のスター選手がいない階級でもあったが、近年はカマル・ウスマンがパウンド・フォー・パウンド1位になるほどの選手にまで成長した。
ウスマンとGSPをどっちを高く評価するべきなのか、選手としての総合能力ならばウスマンを上に評価する声もあるだろうが、GSPの場合は時代も違うので、やはり功績や競技そのものに与えた影響力なども含めてウェルター級最強はGSPと言っても良いだろう。
ミドル級(83.9kg)
イスラエル・アデサニア
ミドル級も長らくアンデウソン・シウバ以外のスター選手不在の階級だったが、新たなスター選手アデサニアが登場した。
キックボクシング出身の選手でパウンド・フォー・パウンド上位に入るような絶対王者は過去にはいなかっただけに新時代の打撃系ファイターとも評価できる。
防衛回数だけでいえば、アンデウソンの方が上だが、アンデウソンとアデサニアは直接対決もしてアデサニアが勝利しているし、何よりもアンデウソンはドーピング検査で陽性を出している点も評価を下げざるを得ないところでGSPとの大きな差といえるだろう。
ライトヘビー級(93kg)
ジョン・ジョーンズ
90年代当時からある階級で選手層の厚さからも絶対王者不在の階級でもあった。
PRIDEでいうところのミドル級の階級だが、ランペイジ・ジャクソン、マウリシオ・ショーグンといったPRIDEの選手もPRIDE崩壊後にUFCへ来て王者となっている。
他にもビクトー・ベウフォート、ランディ・クートゥア、ティト・オーティズ、リョート・マチダ、ダニエル・コーミエといったそうそうたるメンツが揃っているが、その中でも頭ひとつ抜けた存在がジョーンズともいえる。
レスリング出身の選手でありながら変速的な打撃も得意としており、全局面で圧倒する強さを誇っている。
ヘビー級も含めてリーチがUFC選手の中で最も長い214cmというとでもない長さも武器のひとつ。UFC史上最年少で王者になった記録も持っている。
デビュー数年の時点で当時全盛期にあったランペイジやショーグン、リョート・マチダを圧倒して完勝している。
プライベートでの素行の悪さだけは難点ではあるが、クリスチャンに目覚め心を入れた変えた様子。
ドーピング検査での失格があったりするが、検出された薬物は微量で微妙な成分だったため、他のドーピング選手のように明らかな違反行為を故意でやっているわけではない。
2023年には3年ぶりの復帰戦でヘビー級タイトルマッチをガーン相手に完勝。
二階級制覇を達成しUFC史上最強の選手と言っても過言でない選手に成長したとも評価できる。
ヘビー級
フランシス・ガヌー
UFC当初からあった階級で最も歴史が長いヘビー級だが、それだけに絶対的な存在はこれまでに存在していない。
PRIDE時代のヒョードルのような絶対的な存在がUFCのヘビー級には長らく存在していないので、誰が最強なのか?という問いにはどうしても個人の好みも含んでしまう点は否めない。
混戦で一人を選出するのはなかなか難しいところだが、それでも近年の選手で衝撃度という意味ではガヌーの存在が一番と評価できるだろう。
アフリカ系黒人の異次元な超パワーでこれぞヘビー級というパワーファイトに加えて、ガーン戦では総合能力の高さも見せた。
とくにアフリカ系の黒人選手というのは近年台頭してきており、MMAが世界的な競技に上がったことでアフリカ系の選手がもっと増えるとも予想される。
個人的にはヘビー級の歴代最高防衛回数(3回)を持っていて、なおかつガヌーにも1度勝利している(1勝1敗)ミオシッチを上げたいが、ガヌーとの再戦では何もできずにKO負けしてしまったので世間的にはガヌー最強の印象が強くなっているだろう。
ガヌーは2023年にUFCとの契約を切ってフリーとなっており、一部ではボクシング転向も噂されており、タイソン・フューリーとの一戦も期待されている。
まとめ
フライ級:デメトリアス・ジョンソン
バンタム級:ヘンリー・セフード
フェザー級:アレクサンダー・ヴォルカノフスキー
ライト級:ハビブ・ヌルマゴメドフ
ウェルター級:ジョルジュ・サンピエール
ミドル級:イスラエル・アデサニア
ライトヘビー級:ジョン・ジョーンズ
ヘビー級:フランシス・ガヌー
2023年現在の歴代最強選手でした。
このレベルの選手はそう簡単に抜かれないと思いますが、UFCには数年に一度とんでもない化け物が登場するので5年後くらいには入れ替わりがあるかもしれません。
とくに重量級はガヌー以上のアフリカ系黒人選手が出てきそうな予感があります。
マカチェフも防衛回数を重ねてヌルマゴ以上の存在になっていく可能性を秘めています。今後も楽しみです。