2015年、2016年と大晦日は2年連続で日本のRAIZINのリングに上がっていたクロン・グレイシー。
クロン・グレイシーといえば、あのヒクソン・グレイシーの実の息子ということで注目度も高く、元々は柔術専門の選手だったが2015年にMMAデビューを果たしている。
クロン・グレイシーのMMAデビュー戦
クロンが2017年1試合も行っていない理由
そんなクロン・グレイシーの一番最新の試合は2016年の年末に行われた川尻達也戦だ。
川尻との試合は川尻の日本帰国初戦ということもあり、クロンの真の実力が問われる一戦として注目が集まっていた。
結果的にはクロンの圧勝で終わり、今後ますますクロン・グレイシーがどんな相手とどんな試合をするのか期待が膨らんだ。
だが結果的には以後1年間まったく試合が組まれることはなかった。
クロンが怪我をしているというわけでもない。
理由は何なのか・・
その理由のひとつに金の問題があるという
ひとつはRAIZINがクロンの請求してくる多額のファイトマネーに対応しきれないという。
クロンが請求するファイトマネーは世界のMMAトップファイターが1試合で稼ぐ金額どころではないと榊原代表は言う。
金額こそは口にしなかったものの、「どうしてもクロン・グレイシーをリングに上げないとダメなら100万ドルでも支払う覚悟はあります」と話しているので100万ドルくらいの請求をクロンがしているのかもしれません。
もうひとつの大きな理由として
クロンに高額のファイトマネーを支払うほどの対戦相手がいないという点もあげている
現段階ではクロンの対戦相手が見つかってはいないという状況のようだ。
川尻戦の視聴率などを見ても特別に視聴者がクロンに期待をしているという感じでもなく、現在RAIZINではクロンよりもRENAや名須川天心の方が人気面では高そうだ。
高田ヒクソン戦のように『この2人が戦う意味』という対戦相手が見つかってない以上、現状でクロンに大金を出してまで日本のリング呼ぶ価値はないというのが主催者側の判断のようだ。
クロン・グレイシーの意見
クロン自身がなぜ多額のファイトマネーを請求するのか?
この部分も気になるところだ。
その理由のひとつとして戦うことの意味というのがあるようだ。
クロンはブラジル人ではあるが自分のジムがロサンゼルスにある。
そのジムでトレーニングと柔術の指導をしているとのことなのだが、ここの授業代金が一説によると2時間で1500ドル(約16万4500円)だという。
この金額でもセレブたちがクロンから指導してもらうために行列ができているという。
クロンの暮らしぶりも質素なものらしく、趣味のサーフィンやスケボーなどしながらゆっくりと暮らしているらしい。
試合をすることもなく裕福な暮らしができているようで、そもそも戦うこともあまり好んでないようだ。
クロンのトレーニング模様
父ヒクソン・グレイシーとの確執
父ヒクソンの影響で幼い頃から使命的に戦い続けていたが、父ヒクソン、叔父ホイスなどが日本で受けてきたことは幼い頃のクロンからするとあまり良いものでもない。
さらに兄であるホクソングレイシーは19歳の若さで亡くなっている。
死因ははっきりとは分かっていないが、少なくとも父の影響で格闘技をやってなければこんなことにもなっていなかっただろうと思うところはあるはずだ。
そんなこともあり、クロンは現在父ヒクソンの意見は聞き入れないようにしており、自分のことは自分で決めるようだ。
そんな事情もあり、クロンは2016年末以降試合をいっさい行っていない。
クロンにふさわしい相手は?
スター選手不在のRAIZINにとってはなかなかクロンに高額なファイトマネーを出して対戦相手を探すのも難しいところだろう。
青木や五味の名前も上がっているが、川尻との試合と大きな違いがあるとも現状では感じられない。
新世代の矢地もイマイチスター性には欠ける印象だし、堀口や天心では階級の問題もある。
一番は堀口がもう1階級上げてクロンと65kgで戦うのが面白いとは思うが、堀口の強さと知名度が一致していないようにも思える。
まだまだRAIZINには選手もいないし、高いファイトマネーを払うほどの余裕も人気もないだろう。
そんな中で2017年の年末に矢地に敗北した五味隆典が試合後のインタビューでクロンの名前を出して最後はクロンと戦いたいと発言した。
クロン対五味の試合が2018年の大晦日に見られるかもしれないが、5月までRAIZINは大会自体もないようなのでもう少し先の話になりそうだ。
クロンはMMA選手としての才能を感じるだけに2018年の大晦日は五味隆典からの指名を受けてRAIZINのリングに上がって欲しい。