昨年大晦日のRIZIN33が終わり、早1週間が経過しました。
大会は波乱も多く盛り上がったとは思いますが、大会後の話題はシバターVS久保の八百長疑惑でもちきりです...。
この話題に関しては、各メディアも話題をまとめているので、ここではこの件に関してはザックリと要点だけを紹介し、総合格闘技において過去に八百長はあったのかどうかという観点で事実と憶測を交えて書いていきます。
RIZINの流出
試合後、久保優太の嫁の兄がネット上にLINEのやりとりを公開し炎上し始める。
内容は、シバターが「1Rは軽い感じで流して、2R目からガチでいきましょう」的な提案をして、久保も分かったような返答をしているやりとになっている。
要約すると、1Rはプロレスをやって2Rはガチンコみたいな話なので、この1R部分は八百長になるのでは?
という疑惑が生まれるわけですね。
このLINEのやりとりは、シバターは自身のYou Tubeでは偽物だとして否定していましたが、最終的にはお得意の「救いたい」シリーズの動画で騙された久保が悪いとして、もう格闘家としては終わったようなものだから、一緒にパチンコやらないか?というお約束のオチで締めています。
問題点
感情論は一旦置いておいて、この件に関しては何が一番問題なのかというと、MMAという競技の中にも実際にやらせ(八百長)があるのではないか?ということが最大の論点になるのかと思います。
RIZINで今回このような件があったということは、過去にも同じようなことが日常的に行われているのではないか?という疑いも出てきます。
あるいは、過去のPRIDE時代の試合も疑わしく見えてきます。
さらには、海外の団体の信頼問題にも繋がります。UFCはどうか、ベラトールはどうか。
ベラトールとは特に友好関係にあるので、この八百長問題が大きくなればなるほど海外からの見られ方も変わってきてしまいます。
MMAにおける八百長問題
ここからが本題です。
実際にMMAにおいて八百長は実在するのか?
まず、いくつか前提知識として整理しておきたいのは、総合格闘技はプロレスとは違うという点は分かっている人は多いと思いますが、総合格闘技は元々プロレスの派生から生まれているので、とくに初期の日本の総合格闘技はプロレス色が強いのです。
PRIDEも高田VSヒクソンから歴史が始まっており、スタートはプロレスラーが飾っていますし、PRIDEの前進団体であるリングスもプロレスラーの前田日明が設立し、ヒョードルやノゲイラも出場しています。
他にも船木誠勝はパンクラス、佐山サトルは修斗を創設しており、今現在でもこれらの団体は日本の総合格闘技のスタート地点としてしっかりと機能し残ってます。
日本においての総合格闘技の歴史とは、プロレスラーが真剣勝負の場を求めて生まれたというのが根源にあります。
そしてもう1つ、プロレスにはブックというものがあります。いわゆる台本です。
このあたりが、総合格闘技から入った世代には少し分かりにくいのですが、プロレスには暗黙のルールみたいなものがあり、言ってしまえば八百長が八百長ではないようなところがあります。(ショー、エンターテイメントとして成立している)
とはいえ、真剣勝負という側面もあり、このあたりのバランスというのが外から見ていると非情に分かりにくい部分です。
アントニオ猪木氏は「誰がプロレスと格闘技を分けたんだよ」という発言をしていましたが、それほどに元々のプロレスには真剣勝負の色が強かったともいえるわけです。
ブック破りという台本破りもあり、要は事前に決められた約束を一方的に破るようなことですが、今回シバターが仕掛けたのは、プロレスでいうところのブック破りのようなものです。
プロレスラーが本当の戦い、セメント(ガチ)をすると意気込んで総合格闘技を立ち上げたわけですが、初期のころはルールも曖昧だったところもあったりますが、PRIDEでもいくつか怪しい試合もあります。
PRIDEだと、高田延彦の試合はガチとプロレスの区別がつきにくいです。
とくにアレクサンダー大塚戦は今見るとおもいっきりそれっぽいかなーという疑いが..。
まあこれはプロレスラーが総合格闘技団体でプロレスをしていると思えば、別に大した問題でもないようにも思えますが、時代もありますね。今だったら完全に炎上案件でしょう..。
UFCでもかつてあった八百長試合
2015年11月28日に韓国で開催されたUFCの大会でハン・スーファン(バン・テヒョン)という選手が、ヤ◯ザから八百長試合を持ちかけられてわざと負けようとしたということが実際にありました。
ハン氏は試合前に約1000万円を受け取り合意したようです。しかし結果は判定2-1でハンが勝利しています。
後日、この件が公になってハン氏は懲役刑となりました。
賭けの対象となっている海外の大会ならではの八百長ですが、RIZINは表上は賭けの対象にはなっていないので、こういうケースは海外ならではでしょう。
試合も実際にハンが判定勝ちしているので、パッと見、明らかな八百長試合という感じでもないはずです。(映像確認できず)
まとめ
過去には確かに総合格闘技(MMA)でも八百長といえるような試合はありました。
とくに日本の団体の場合、初期のころはプロレス臭も強かったので、高田アレクみたいな試合は小さい興行でも他にもあったとは思います。
だだ、PRIDEもヒョードルやノゲイラ、ミルコなどが本格的に活躍するようになってからは、八百長試合というのはパッと見てもないようには思えます。
ただし、PRIDEの場合は反社会組織との色々よろしくあった...という報道の後、テレビ放送打ち切りとなり約1年後には潰れてしまっていますから、UFCのハンの件のようなことが団体レベルであったのかも...と、疑いたくなるところはあります。
UFC代表のデイナ・ホワイトもPRIDEを買収した後、一度もPRIDEのブランドで興行を行わなかった理由として、ジャパニーズマフィアは本当に厄介だ。というようなコメントもります。(真意は不明)
それこそ日本のプロレス団体と反社会組織はベッタリの歴史が...なんて話は今回の話からだいぶ脱線してしまうのでこの辺で終わりにしておきます。
基本的には、今のRIZINの選手で八百長をするような選手はいないと思います。
基本的に八百長をしても選手としても興行側としても、長期的にはあまりメリットはありません。
今の時代、各選手がSNSでYou Tubeで発信できるわけなので、彼ら彼女らがYou Tubeで言ってることは嘘ではないと思います。
シバター久保も個人的には何も問題ないと思いますし、八百長ではないだろと思いますが、世間ではそうもいかなそうですね。
少しだけ気になるのが、ここまで大ごとになっているのに1月8日現在でまだRIZINがこの件に関して公式の発表をしていないのは引っかかりますね。
最悪、ベラトールとの対立、なんて面倒なことにならないことを祈ります。